あしたのジョー

あしたのジョー(1) (講談社漫画文庫)

あしたのジョー(1) (講談社漫画文庫)

あらすじ:ごろつきの少年がボクシングで真っ白に燃え尽きるマンガ。

昔、「ジョー&飛雄馬」という雑誌がありまして、それで集めたあしたのジョー巨人の星。ケースも買っちゃって車田家の家宝の一つなんですけれども、ジョーのほうが面白いと思うんですよ僕は何だか。どちらもいろんな所でいろんな時にいろんな人がパロディをやっていて少なからず先入観というものがございました。実質巨人の星は作品そのものが天然系のギャグマンガだし。彼岸島と同系列。だから良くも悪くもゲラゲラと笑いながら読んだのですが、あしたのジョーは笑うどころか手に汗握っちゃいましたよ。笑ったのは豚に乗って少年院から脱走しようとしてそれをワンパンでKOした時と鼻からうどん出した時と縦回転しながら2階殴った時ぐらい。それ以外はもうガチですよ。何この全体的な悲壮感。大事なところでは大体負けるしすぐ落ちぶれるしほのぼのしたシーンでもパンチドランカー疑惑とかで気が抜けないしヒロインは極度のツンデレだしもう一人のヒロインは鼻からうどんと結婚しちゃうしライバルは減量しすぎと頑張りすぎで死ぬし自分も減量地獄に突入するし。全くたまらんじゃないか。
正直力石が死んでからのほうが好きだったりする。力石が死んで落ちぶれてカーロスにあって立ち直った辺りからジョーが大人になるから。かっけーのよ。騒がなくなるし何より我慢強くなるし。ハワイの時ははしゃいでたけど伏線なわけで。それまでのジョーなんてDQNっすよ。やったら腕っぷしの強いDQN。
真っ白に燃え尽きた後生きてるか死んでるか問題ですが、死んでるに一票入れたいかなぁ。ジョーが次のページのほう向いてるから明日に続くって論も好きなんだけれども。ここが人生のピークであるなら残りの人生はおまけみたいなもんで、それなら死んじゃう人だと思うんよ。見てくださいこの幸せそうな顔。あなたはこんな顔で死ねますか?

力石が死んだ時、ジョーとおっちゃんが彼の控え室に入るシーンで影を見ると光源が力石の遺体なんですよ。死してなおかっこいいなぁ。僕が死んだら光を放つかなぁ。