名探偵コナン

名探偵コナン (1) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (1) (少年サンデーコミックス)

私は怖いんだ。江戸川コナンが。あの少年メガネが。

名探偵というのは殺人事件を解決してこその名探偵なのであり、殺人事件を解決することは誉れであり喜びだ。
しかし、謎を解く中でどうしても犯人の動機やバックボーンを知ってしまい、それでも真相を暴かずにはいられないというジレンマが探偵ものには付きまとうことになる。

 しかし、コナンにはそれがない。やつは呼吸するように謎を解く。犯人の人物像や動機などは考えもしない。きっと、だが確実に犯人のことも被害者のことも忘れている。いや、覚えようともしていない。
やつにとっては殺人事件は最早日常の一部なのだ。だから当然のように解く。まるで生態系の一部であるかのように、呼吸でもするかのように―――!

私は怖い。
やつは名探偵などではない。
もっとおぞましい何かだ。

あぁ!来た!子供が!子供が!窓に!窓に!